2022年8月4日(木)はクレイン英学校にとって記念すべき一日になりました。
なぜなら、クレイン設立から念願のクレインピースキャンプがついに現実のものとなったからです。
記念すべき第1回キャンプに参加したのは、小学4年生から高校2年生までの20名。
名古屋駅に集合し、新幹線で広島へ向かいます。
初めて会う人たちとこれから三日間、どんな旅が待っているのか不安と期待が入り混じる中での出発です。
11時20分、広島駅到着。1年間一緒にこのピースキャンプを作り上げてきたピースカルチャービレッジ(PCV)の南さん、UMIさんが私たちを笑顔で迎えてくれました。
路面電車に乗って平和公園に向かいます。
今回の旅の舞台、広島平和公園に到着。
元安橋のたもとにあるレストハウスでお昼ご飯。
広島が誇る「むさし」のお弁当。パッケージからも広島への愛が伝わります。
ピースパークツアーが始まり、最初に平和資料館に向かいます。それまでのリラックスモードから一気に緊張感が走ります。原爆の悲惨さを留めた展示の数々を目の当たりにするのは大人でもためらってしまう人もいます。特に初めて本格的た平和学習を行う小学生にとっては、とても勇気のいる建物です。入館前に、UMIさんから伝えられたのは、
「怖くて見られないものは無理をして見なくていいよ。でも2つだけは見てきてほしい。みんなと同じくらいの歳の子たちの衣服や遺品が展示されているところと、佐々木貞子さんのお話。」
ここで感じるものは、一人ひとり様々です。
そして一つひとつの展示が強烈なストーリーを持ち見る人にインパクトを与えます。
私も小学生ではじめてこの資料館を訪れた時の記憶は今でも鮮明に残っています。そして、その時の体験が、今こうして平和を次世代に伝える活動へとつながっているのです。
資料館から出てくるなり、今回のワークブック、「ピースノート」にここで見たもの、感じたことを書きとめていきます。
ここからは、ピースダイアログ。PCVのピースバディが合流し、小学生、中学生、高校生に分かれて平和公園内を案内してもらいます。
元安橋の被爆前の写真を見せながら、「今とは何が違う?」
「朝8時ってみんな普段は何をしている?」
「原爆ドームってもともとどんな建物だったんだろう?」
「ここに段差があるんだけど、これ何でだと思う?」
たくさんの対話を通して、この平和公園がある中島地区は当時は広島有数の繁華街であったこと、いまの私たちと変わらない日常生活がそこにあったことを教えてくれます。
積極的に質問をしたり、自分の考えを伝える姿がありました。
暑い平和公園でのパークツアーから戻り、今度は小学生、中学生、高校生が混合グループになって平和を考える活動です。
自分が大切にしている価値観を共有する、価値観ワーク。
未来の平和な世界を作るために何をすればいいかを書き込んでいくマンダラアート。
それぞれが違う価値観を持つ人たちが、どうやって共通の課題に向き合っていくか、そんなことを経験します。
10才から18才までのグループで活動が成立するのか心配でしたが、年齢に関係なく自分の意見を自由に発言できる雰囲気が一日目からありました。
18:00に午後のプログラムを終えて、宿泊先のKIROへ。
原爆の歴史を語る広島での3日間は心身共にかなりのエネルギーが必要です。なので、宿泊する場所は快適なだけでなく、気持ちを持ち上げてくれるようなところにしたいと思っていました。
「瀬戸内ローカルへの分岐点」というコンセプトのこのホテル、まずはめちゃくちゃオシャレ!
生徒たちも「わー」と声を上げてスマホで写真を撮っていきます。
ホテル内の食べ物やドリンクだけでなく、各所に用いられている色も瀬戸内を表しているのだそうです。
そして夕食は、広島といえば、お好み焼き!
ホテルから徒歩すぐのところにある「お好み村」で本番の味を体験します。
お腹が満たされたところで夜のプログラムへ。
ここからは英語モード。PCV共同設立者でアメリカ人のメアリー・ポピオさんによるワークショップ。アメリカのボストン出身で、キリスト教を学ぶためにやってきた長崎で原爆の歴史を知り、そこから平和を伝える活動をするため広島にやってきたそうです。
まずは自己紹介、そのあと生徒たちから英語で質問していきます。
「好きなゲームは?」「広島のどんなところが好き?」
とびっきりの笑顔で元気いっぱいのメアリーさんに、一日の最後に疲れていた生徒たちもイキイキとしていきます。
最後のワークショップは「もしあなたが地球の王様だったら、どうやって地球を救いますか?」という問いにクリエイティブな解決法を出していきます。
ワクワクするようなアイデアが出るわ出るわで...
新しいたくさんの出会いがあり、広島のこと、そして自分のこと、未来のこと...たくさん感じて学び考えた一日でした。
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