オールバニーから北西に450キロバスで移動し、エリー湖のほとり、カナダとの国境沿いにあるニューヨーク州バッファロー。いかにもアメリカらしいリムジンバス
この川の向こうはカナダ!
有名なのはナイアガラの滝とバッファローチキン。手羽先が有名な名古屋の人間としてはバッファローチキンに興味が沸く。アメリカ最北端に近いこの街は気温がぐっと下がり、長袖で心地よいくらいの気候だ。
バッファロー視察の始まりは大人に対する英語教育を提供する学校。かつて富豪の住宅だったという建物が学校の校舎で、21歳以上の成人の移民・難民に対して、仕事に就けることを目的にした無償の英語教育を行っている。
現在はコンゴやスーダン、シリアなど北アフリカ、中東地域からの難民が多いという。入学は随時受け付けており、毎日生徒の顔ぶれが違うらしい。また、学校教育を今までに受けたことのない生徒、母国で受けた心の傷に苦しむ生徒、幅広い年齢層、と実に様々な生徒がいるそうで、私たちの教育環境とは全く違うため比較のしようがない。
今日は今回の視察で初めて実際の授業を見学することができた。シリア出身の女性二人とスーダン出身の男性二人、そして出身国不明の若い女性1人で生徒は計5人(登録は25人らしい)だった。この日はフォニックスのプリント(この単語と同じ発音のものを4択で選ぶもの)とbe動詞を用いた文の並べ替え問題を用いた授業だった。生徒の英語レベルは中学1年生程度というところであったが、John先生と生徒が母語を共有していないので理解しているかどうかを確認するのが難しいように思えた。しかし、生徒はとても積極的に発言をしようとしていたり、わからない単語はスマホで調べたりして熱心に学んでいた(国籍不明の女性一人は退屈そうにしていた)。生徒は20代くらいの成人であるがとても楽しそうに授業に参加しているのにほのぼのした。
授業後John先生と質疑応答が時間があり、授業の進め方や州の無償英語教育システムについて詳しく話を聞くことができた。クラスは英語のレベルに応じて8つに分けられており、Best Plus Testという州の口頭テストの内容に沿って授業が行われている。生徒は英語学校に通うことで政府から恩恵が受けられるそうで、先生曰くそれがなければなかなか生徒は学校に来ないそうだ。
授業のスタイルや教育理念については必ずしも同意できるわけではなかったが、非常に多様な生徒とラポールを作りあげ、丁寧に生徒の英語を引き出したり修正したりする姿は素晴らしい先生であった。
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