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英語が話せないのはなぜ?

更新日:2024年7月9日

昨日8月1日に、全国学力テストの結果が公表されました。中学生の英語「話す」技能の正答率がたったの12.4%であったことが大きな反響を呼んでいます。


実際に問題を見てみたところ、



「うん、これは低くて当たり前。だってやってないじゃん」


というのが私の率直な感想です。


私が名古屋市の公立・私立含めていろんな中学校のテストを見ている限り、こんな高度な話す活動はやっていないようです。


新学習指導要領の教科書になってコミュニケーションを促す内容になってはいるのですが、ほぼ全ての中学のテストで問われているのは、


・単語を正しいつづりで書ける力

・本文の穴埋めに正しく答えられる力

・正しい語順で本文の単語を並べ替えられる力

・日本語から英語に正しく訳せる力


いわゆる、「暗記科目としての英語力」です。クレインでも、海外で英語で暮らした経験があり、英検準一級も取得している生徒が、中学校の確認テストでは60点しか取れなかった、なんて話もあるくらいです。


スピーキングテストを行って、評定に一定割合組み込まれているという話も、残念ながらほとんど聞いたことがありません。

「教科書の音読テストを評定の10点分に加味する」

というある私立校が、まだ頑張っているな、という程度です。

とは言え、音読はコミュニケーション活動ではありません。

教科書を暗記して音読できても、この学力テストの問題には太刀打ちできないでしょう。


今回の学力テストでは、「オーストラリアから来た留学生に動物園を紹介する」「レジ袋と環境問題に関するプレゼンを聞いて自分の意見を述べる」といった細かな場面設定が行われており、役になりきって適切な回答することが求められています。

自分ではない人になったつもりで話す(ロールプレイ)は、英語力だけでなく、かなり高度な認知能力や発想力も必要です。

さらに、英語を聞いてから話す、というリスニングとリーディングの技能統合型の出題にもなっており、さらに難易度が上がります。


この問題に答えようと思えば、日頃の授業中に同じような英語でのやりとりをよほどやっていないといけません。

でも実際は、新出単語を覚えて、教科書本文内容については、

「これが関係代名詞で、先行詞を後ろから修飾していますよ」とか「ここのto不定詞は副詞的用法です」とか言いながら文法説明するという、何十年も変わらない授業が再生産され続けているわけです。


結果、12.4%というのは、至極当然の結果で、責められるべきは生徒ではなく、設計側と現場との乖離ではないでしょうか。


文科省は約10年前に始まった抜本的な教育改革から一貫して「実践的なコミュニケーション能力育成のための英語教育を設計している」と訴えているものの、現場の先生たちからは、「入試では今でも文法や構文解釈が問われてるんだからやらないわけにはいかない」「生徒指導や部活動指導で多忙なのに、英語でさらに新しいことをやっている暇なんてない」などなど大きな抵抗も…


私としては、使えない英語、日本の外に目が向かない英語教育は必要ないと思っています。受験英語はすこぶる得意だったけど、全く英語でコミュニケーションができなかった当時の体験者として。


とにかく、英語に自信をなくし、英語が嫌いになる生徒がこれ以上増えないことを願うばかりです。


一方、別の角度から見れば、これだけ英語が話せなくても、学校も仕事も日本語だけですべてやっていける社会であるという証明でもあります。そういう点では日本はまだまだ恵まれているな〜と、楽観視していてもよいでしょうか。

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